イサカアワーには理念があった。「政府紙幣」は果たして!?
こんばんは。最近S課長が政治に詳しくなっていることに驚きを隠せない大塚です。
【毎日新聞:<自民党>「政府紙幣」実現を 議連働き掛けへ設立準備会】
今日のニュースで出ていました政府紙幣、果たして実現可能性はあるのでしょうか?
実は昔、「地域通貨」や「代替通貨」について、私かなり興味を持ち、調べていたことがありました。
2000年にアメリカの東海岸を一人旅していた時も、
ニューヨーク州のはずれ、イサカ(Ithaca)という街に、「イサカアワー」という地域通過があると知って、ボストンから車で何日かかけて移動し、この街に滞在したことがあります。
このイサカアワーという貨幣は、イサカ地域のみで使用できる地域限定通貨で、
かつ、イサカアワーの流通システムに賛同する店舗限定で使用することができるという貨幣でした。
私が訪れた、イサカの「ファーマーズマーケット」でも、地元で取れた農作物や、イサカの職人が作った手作りアクセサリーなど買う時に、この紙幣が使えたはずです。
このイサカアワーが面白いと思ったのは、その理念です。
ただ単純に、勝手にお金を発行してばら撒いた、ということではなく、
「イサカの人々が、互いを助け合うために地域通貨を使うことによって、地域経済を活性化させる」
という発案者の理念に賛同したイサカ市民が、イサカアワーの流通を拡大させていったと記憶しています。
そして、もう一つ面白いのが、イサカ「アワー」のネーミング。
人が1時間(1hour)労働した対価を1アワーと定めています。
たとえば子供が親の手伝いを1時間行った、という時にも、10ドルを渡すのではなく1アワーを渡す。
するとその子供は、なんでも親に買ってもらうというのではなく、
「3日間お手伝いをしたら、街のおもちゃ屋で30ドル相当の人形を購入することができる」ことを知ることも出来るのです。
調べれば、調べるほど、興味深いイサカアワー。
残念ながら私が訪れた2000年には、イサカアワーの流通は減少傾向にあり、人々が街の中でイサカアワーで買い物をする瞬間は目撃できませんでしたが、数年の間で200万ドル(2億円)の経済効果をもたらした、と言われているそうです。
さて、いくら地域通貨でも、流通紙幣以外の「お金」を発行する事は簡単な問題ではありません。
今回の日本の「政府紙幣」構想も賛否両論あるでしょう。
果たして成功して大きな経済効果をもたらすのか?
それとも、結果的にインフレや混乱を招き、失敗に終わるのでしょうか?
その鍵は「発行後のVisionがあるかどうか」だと思います。
ちょっと興味深い分野だったので、久しぶりに時事ネタに食いついてしまった大塚でした。
(2009.10.19写真追加)
TIME IS MONEY
地域通貨、イサカアワーの裏面には、そう書いてあります。
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コメント
これオモロですね(◎´∀`)ノ
投稿: fのh | 2009年2月13日 (金) 12時43分